蟹にまつわる物語群
お一人様3個まで
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「蟹は友人、隣人、同居人、頼れるあなたのパートナー。」 1話完結型・共通世界観の読切短編集(Web再録を大幅改訂+書下ろし5話=120話) 全352ページ、文庫です。
「蟹は友人、隣人、同居人、頼れるあなたのパートナー。」
1話完結型・共通世界観の読切短編集(Web再録を大幅改訂+書下ろし5話=120話)
全352ページ、文庫です。
どんな本?
絶望した人間を選んでパートナーとなる怪異的概念であるところの蟹。この物語はそんな蟹と蟹に選ばれたパートナー、周囲の人、周囲の蟹、それぞれをだいたい一対一関係で描いた短編集です。
プロローグ
重い。ずっと前から、身体が重くてたまらない。原因はわからない、疲れているのかもしれない。引きずるように日々を生きている。呑まれる、呑まれる、絶望―― 「君」 「え?」 「しんどそうだね」 「え、まあ……」 「今日からは自由だ」 「は?」 「僕が君のパートナーになってあげよう」 「……うん?」
抜粋
お客さまの中に蟹はいらっしゃいませんか? 呼んでいる。呼んでいる。けれど来る蟹はいないだろう。蟹は必ず一人につき、そこを離れることはない。 いらっしゃいませんか、いらっしゃいませんか。 なぜ呼んでいるのかわからない。いらっしゃいませんか。何が。僕の蟹が。蟹はどこへ行ったのだろうか。